NPO パワリハ研究会特定非営利活動法人 介護予防・自立支援・パワーリハビリテーション研究会
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パワーリハビリテーション研究会西九州支部長 石橋 経久先生がパワーリハ最前線からお届けするコラム
 石橋 経久( いしばし つねひさ )
医療法人白十字会介護老人保健施設「サン」 施設長 パワーリハビリテーション研究会西九州支部長
<資格>  医師(外科医)
<略歴>
昭和49年長崎大学医学部卒業 長崎大学第1外科入局。外科医として26年間勤務し癌と免疫の研究で医学博士習得。その後佐世保中央病院外科部長、ICU部長を経て現任にいたる。 趣味:天文とギャンブル。生化学・分子生物学の研究 一言:現在パワーリハの手法を用いて癌末期患者様の緩和リハビリ(癒しのリハビリ)、心臓リハビリなどをテーマとしてパワーリハビリチームと共に励んでいます。


「第41回日本理学療法学術大会 in Gunma」の早朝セミナーにて発表。  
 
〜平成18年5月26日(金)午前8時〜午前9時(グリーンドーム前橋)〜

【内容】

日本では毎年30万人以上の癌患者様が末期癌で亡くなられている。その数は全死亡者の30%を占め、死亡率は第一位です。また末期癌の91%は病院で死を迎えられています。
多くの癌末期患者様は癌性疼痛や精神的苦痛に苦しめられ、専門的な緩和治療・ケアを受けられている。現在の癌末期患者様の緩和治療・ケアの中に緩和リハビリテーションの概念はほとんど無い。癌患者様の病態に合った機種を選択でき、軽い負荷と有酸素運動の条件下で行うパワーリハビリテーションを5名の癌末期患者様に施行した。パワーリハビリテーションが緩和リハビリテーション(癒しのリハビリテーション)としてどの様な効果があったかを考察を加えて報告する。

(効果1):癌末期時に行うパワーリハビリテーションは癌末期患者様にとって 苦痛感は認められず、精神的不安や落ち込みが改善され、今を生きる意欲が認められるようになった。

(効果2):疼痛閾値が上がり、オピオイド薬を使用せずにNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)のみで疼痛管理ができ、自己疼痛制御機構を活性化できた。

(効果3):食欲やADLの低下を予防でき、ある時期まで高いQOLを保つことができた。又本人とご家族の満足度は非常に高かった。

(考察と結語)

現在、癌末期の緩和治療・ケアは癌患者様にとっては疼痛緩和をして頂き精神的苦痛を和らげて頂く受身の治療・ケアである。
一方パワーリハビリテーションは癌患者様の病態に合った機種を選択利用できるリハビリテーションで、患者様自身が自分で行う主体性のある有酸素運動のリハビリです。リハビリ中に苦痛のために緩和リハを止められる患者様は一人も有りませんでした。今回の結果より、癌末期の状態でもパワーリハビリテーションを施行することにより、癌末期患者様の内因性オピオイドペプチド産生やオピオイド受容体の発現量を増加させ、精神的落ち込みや肉体的疼痛もある時期まで緩和できると考えます。今後パワーリハビリテーションをホスピスやデイホスピスまた緩和ケア病棟に導入し、緩和リハビリテーション(癒しのリハビリテーション)として活用する価値は極めて高いと考えています。ぜひ皆様もパワーリハビリテーションの手法を用いて、癌末期患者様の緩和リハビリテーションにトライして下さい。

平成18年5月1日記 
パワーリハビリテーション西九州支部長・老健サン施設長 石橋経久

■バックナンバー
第3回;癌末期の緩和(癒しの)リハビリテーション
第2回;パワーリハビリと既存のリハビリの違い(医師の立場より)

第1回;第5回パワーリハビリテーション学術大会イン福岡へのご案内!